HYUDORO

勉強したことや日記など

デザイナーからフロントエンドエンジニアにキャリアチェンジした

8月になって試用期間を終えたので、転職のことについて書いてみる。

今年5月からマネーフォワード社に入社し、福岡開発拠点でフロントエンドエンジニアとして働き始めた。それまでは7-8年ほどUIデザイナーをしており、今回が初めてのキャリアチェンジだった。現在はひたすらTS + Reactでプロダクト開発をしている。

それなりに続けたデザイナーキャリアを手放した理由や、転職で苦労したことなど、キャリアチェンジについてよく聞かれるので、書き残しておく。同じような境遇の人にとって参考になればと思う。

きっかけ

去年の9月に結婚し、ライフステージが変わったこともあり、今後の人生について考え直すことがあった。当時、時間もお金も気持ち的にも余裕が全然なくて、妻にだいぶ負担をかけてしまっていた。結婚するまでは、自分自身の成長を最も優先し、無茶を承知で働いていたが、結婚を機に、自分と家族が安心して暮らすために働こうと考え方が変わり、転職を決意した。

当時の勤め先の社長に、全く同じことを退職理由として伝えた際、家族を大切にするあなたをリスペクトしたいと言われ、本当に最高なパートナーと一緒に仕事ができていたんだなということを改めて感じた。

なぜキャリアチェンジを選んだか

端的に言うと、コードを書く時間をもっと増やしたかった。シニアポジションの「コードが書けるデザイナー」として転職する手ももちろんあった(し、そっちの方が給料も高い)が、デザイン業務から離れてエンジニアリングに集中した方が、自分のキャリアにとって良い影響があると感じていた。これにもいくつか理由がある。

エンジニアリングへの憧れ

ひとつめの理由は、元々エンジニアの仕事に強い憧れがあったからだ。エンジニアリングによってビジネスの可能性が広がっていく現場を、これまで何度も間近で見てきた。もしチャンスがあればそういった仕事がしてみたいと思っていた。もちろん、コードを書くのも好きだった。

ありがたいことに、前々職からモダンなフロントエンド開発に携われる機会があり、多少なりとも実務経験を積むことができていた(TS + Vue.js環境で1-2年程度、主にView側の実装)ので、このチャンスを掴むことができた。

デザイナーじゃなくてもデザインができる

ふたつめの理由は、デザイナーじゃなくても広い意味でのデザインの仕事はできるからだ。デザイナーの守備範囲は年々広がり、他の職種とも役割が被るようになってきた。逆に言えば、デザイナーという職種じゃなくてもデザインに携わることができる。

まあこの辺はいろいろと言いたいことはあるが、自身の話をすると、プロダクトやUIなどサービスに関する仕組みづくりをしたり、新しい体験を作り出したりすることは好きなのだが、デザイナーとしてビジュアルデザインを仕事でやり続けることに関心がなくなってしまった。デザインについてのバックグラウンドを生かして、別の手段で自分の好きなことに取り組み、価値を発揮した方がキャリアとしても良いのではないか、と考えた。

これらの理由から、デザインの知識と経験を活かしつつ、コードを書くことに集中できるフロントエンドエンジニアが、次のキャリアとしてぴったりだった。実際、この選択は正しかったと思えるくらい、毎日楽しく仕事ができている。

転職状況

最終的にはリファラルで入社させてもらえることができたので、ご縁が一番大事...だとは思うが、そうは言ってもいろいろ苦労したことはあるので、選考前と選考以降について分けて書いていく。

選考前

そもそもフロントエンドエンジニアについて、ほぼ知らないというところからスタートした。コードを書く以外の仕事内容も、業界的な給与水準も知らない状態だったので、まずは検索して一般的に知ることができる情報を集めた。フロントエンドエンジニアの採用ページは特に重要で、リストアップして目を通し、扱っている技術や必要な知識・経験など全体的な傾向を掴んだ。

自分で調べられることにも限界はあるので、知り合いのツテやメンタリングサービスなどを利用し、何名かのエンジニアに相談した。現場の当事者からの生の声も集めるようにした。

転職サイトもいくつか利用したが、そのサイト上で自分から応募しに行くということはなく、デザイナー職も含め20-30件ほどのオファーをもらっていくつかの企業と話した。オファーから選考につながる確率は低かったが、提示された条件に関しては内定後面談で参考値として利用できた。

ポートフォリオについてもよく聞かれる。フロントエンドエンジニアとしてのポートフォリオは用意しなかった。デザイナーの時の実績はちょくちょくまとめてたので、それと職務経歴書などの書類は用意したくらい。その代わり、自分の実績についてしっかりと話せるように頭の中で伝え方を整理していた。

上記の準備がだいたい終わったころに、オファーをいただいた気になった企業に返信したり、中の人に問い合わせたりして、最終的に2社選考を受けることにした。

(2社とも内定をいただき、そこで転職活動終了したのでこの少なさだが、一般的にはこううまくはいかないかもしれない...。)

選考以降

選考に進んでから内定までは、1ヶ月ほどの時間がかかった。

フロントエンドの知識と経験については、明らかに他の候補者よりも劣っているだろうと思っていた。なので、選考を受ける企業とビジネスとチームについてとにかく理解し、自身の知識と経験を、今後のフロントエンドエンジニアとしてのキャリアにオーバーラップしていくと、どんな価値が発揮できるか、ということについて自分なりに整理し伝えていった。

自分の場合は、UIデザインができるから企画から実装まで自分ひとりで完結できてスピーディであること、UXリサーチやデータ収集などのプロダクト改善の知識もあるから実装以外でもビジネスの成長に貢献できること、の2点を伝えたと思う。

質問事項としては、技術職がよく受けそうな、どうやって情報収集しているかとか、特定の技術に関する現状の知識の確認だった。意外とされそうでされなかったのは、「今後どうキャッチアップしていくか」という質問だった。実際の業務の中で学んでいくのが一番早いから、聞くまでもないということなのかもしれない。

実際にキャリアチェンジ(転職)をしてみて

今のところ、いいことづくしなのでどれから伝えたらいいのか非常に悩ましい。

まず、大元の自分と家族が安心して暮らすことができるような働く環境であるかについては、明らかなYESだ。スタートアップでデザイナーをしていた時よりも、稼働時間は短く、地方拠点ではあるが東京本社と同じ待遇で迎えてもらっており、心に余裕ができた。

心配していた技術面でのキャッチアップも、開発業務とプライベートでの勉強で少しずつではあるができており、スプリントごとに作業量を増やしていけている。デザイナーのキャリアも役立っており、仕様を考慮した上でのUI改善の提案ができたり、逆にユーザービリティ面から実装要件の変更ができたりと、自分ならではの価値を掴みかけてきている。今後どうなっていくかが非常に楽しみだ。

とりわけ自慢したいのがチームだ。このキャリアチェンジという大きなチャレンジが今のところうまくいっているのは、チームのおかげだと言っても過言ではない。技術力の高いメンバーからサポートを受けられるのはもちろん、小さなことでもチーム内で活発に質問や相談などのコミュニケーションが行われている。社内全体に言えることかもしれないが「あなたのここを尊敬する」という賛辞をちゃんと言葉にして伝える文化もあり、モチベーションが上がる。

結果としては、キャリアチェンジして良かったと心から思える。


以上、今回のキャリアチェンジの概要を書いてみた。キャリアとか転職について困っているデザイナー、未経験エンジニアの人たちにとって参考になれば嬉しい。

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